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2019年1月

2019年1月31日 (木)

香取物語香具屋姫探香記。(二)

2.ノンちゃんクモに乗る。

(1) 名はノンちゃん。ノンビリのノンだ。

(2) 小学4年だ。

(3) 風邪で学校を休んで、寝ているところから始まる。

(4) 爺ちゃんが入院中。

(5) 目が覚めたら、隣家のおばちゃんがいて、「眠っている間にみんな病院へ行った」と聞かされる。火鉢でヤカンの湯が沸く音がする。炭のにおいもする。黒い薬瓶と薬袋とミカンが枕元にある。その頃はテレビは未だ無かった。

(6) 僕だけ置いて出かけるなんて、などと思う。

(7) またうとうとする。夢の中で目覚める。庭の木に登っている。いつの間にか晴れて、青い空に、白い雲が浮かんでいる。寒くない。垣根の向こうは一面、蓮華の田。耳元で、爺ちゃんの声がした。「タニハナヲ マイテタビダツ サクラカナ」。振り向くとミツバチがウンウン唸っている。昔、刺されたから恐怖だ。手で払う。鉄棒選手のように回って、落っこちる。

(8) どこまでも落ちていく。ふわっとした網の上に落ちる。サーカスのネットのようだ。爺ちゃんが、頭のそばに立って笑っている。「爺ちゃんはクモになったの」と聞く。「おまえが痛くないようにね」という。

(9) 「爺ちゃん遊ぼうよ」。「何をして遊ぼうか。はさみ将棋と五目並べとどっちがいい」。「勝てないからどっちも嫌だ」。「じゃあ、映画とお経の話をしよう」と言う。本当は嫌だったけど、爺ちゃんがどうしても話したそうだったので、「いいよ」と答える。


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2019年1月30日 (水)

香取物語香具屋姫探香記。(一)

1. まえがき。

(1) 最近気持ちが落ち着かない。月に帰る日が近づいたかぐや姫のような気分だ。してもらったことを自分はまだできていない。月に帰る前にしなければならないことがある。

(2) 祖父がくれた香具屋姫の宝を孫に伝えたい。

(3) 孫はまだ小さい。仮想の対話「和香会」に託してタイムマシンのビンに詰めて、言霊の海に流しておこう。いつか孫の心の砂浜に流れ着くように。

(4) 子供の時、爺ちゃんが身を持って教えてくれたことがある。ヒトは死なないということ。ヒトは地球ではなく月の住人だということ。かぐや姫だということ。


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2019年1月23日 (水)

香心門 プレマみなみかぜお香かふぇ 310123

晴れ。暖かい。

入所者7名。研修生4名。介護士さん1名。

今日は不自由さの度合いが高い人ばかりだった。

他の施設から見学に来ている研修生の手助けもあって、楽しんでもらえた。

インフルエンザは高齢者にとっては死病だ。

折悪しく記録的な乾燥が続いている。

雨乞いをしたくなる。


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2019年1月17日 (木)

香心門 中央林間地域包括支援センター 310117

晴れ。穏やか。

デイサービス来所者15名。介護士さん2名。実習生2名。

近所の女子高生2名が体験実習で、助手をしてくれた。

早く着いて香炉を準備中、杖の人も、車椅子の人も、千歩を目標に歩行訓練をしていた。

一歩一歩声を出して数えながら一生懸命だ。

見ていて清々しい気分になった。

組香。

助手が多く、不自由な人にも時間をかけて、楽しんでもらえた。

香の十徳の御神籤を、一人ずつ引いて、開いて読み上げてもらい、献香をした。

「静中成友、寂しさを消す」に共感が集まった。

終了後、みなさんと、栄養士さん手作りのシュークリームとお茶をいただいた。


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2019年1月15日 (火)

香心門 桜ケ丘記念病院延寿ホーム 310115

晴れ。穏やか。

入所者4名。介護士さん1名。

例年以上にインフルエンザが猛威をふるっている。

予防の対策が厳重に敷かれている。

お香の会も、この1フロアーだけが参加した。

組香と献香。 

少人数なので、香りをたっぷり楽しんでもらえた。


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香心門 白楽荘 310115

晴れ。穏やか。

デイサービス来所者6名。介護士さん1名。

組香。

君がため 春の野にいでて わかなつむ

わがころもでに 雪はふりつつ 光孝天皇 

あなたのために、野原に出かけて、若菜を摘んでいる。

着物の袖に、雪が降りかかっている。

新春にふさわしいと、毎年1月は、この和歌を香題にしている。

百人一首の選者はなぜこの詩を第一首にしたのか、今日分かった気がした。

自分ではなく「誰かの幸せの為」というのがいいのだろう。

仏教でいえば、大乗だ。

先人の思慮の深さに、恐れ入った気持ちになった。

良いお香の会になった。


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2019年1月11日 (金)

香心門 グレープの里 310109

晴れ。穏やか。

デイサービス来所者22名。介護士さん4名。

君がため 春の野にいでて わかなつむ

わがころもでに 雪はふりつつ 光孝天皇

みなさん、薫香録に、平成最後の新春の日付を書き込んだ。

長生きできて、感無量だという女性もいた。

紅白に分かれて組香をした。

結果は引き分けで良かった。

献香をした。

伽羅の香りが部屋に満ちた。

終わりの挨拶を唱和した。

「香満ちました。ごきげんよう」。Photo

2019年1月 8日 (火)

香心門 プレマみなみ風 310108

晴れ。暖かい。

入所者8名.介護士さん1名、家族2名。

組香。

君がため 春の野にいでて わかなつむ

わがころもでに 雪はふりつつ 光孝天皇 

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、

すずな、すずしろ、春の七草

献香(けんこう)。Photo

2019年1月 4日 (金)

香心門 金井原苑 310104

晴れ。暖かい。

デイサービス来所者6名。介護士さん1名。

君がため 春の野にいでて わかなつむ

わがころもでに 雪はふりつつ 光孝天皇 

組香は三種香。

途中、平成最後の新春にちなんで、天皇の即位の年齢について蘊蓄を披露した。

私。「この和歌の光孝天皇の即位は数えで五五歳。歴代二番目の高齢でした。一番は誰でしょう」。

みなさん「知りません」。

私。「平成天皇です。数えで五七歳です。ちなみに新天皇は、数えで六十歳です」。

家に帰って家族に自慢できるとメモをとっている人もいた。

足が不自由な方も多く、誰も初詣はしていないとのこと。

献香をした。


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