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2018年4月

2018年4月30日 (月)

薫香日本書紀 1. まえがき(1/2)

(1) いつの世も、人の心を乱すのは、不満と不安だ。

(2) 社会の在り方だけでなく、個人の心の持ち方からのアプローチも必要だ。

(3) これは、心の津波とともに流れ着き、心の復活とともに流れ去る、香木の流離譚だ。

(4) 日本書紀巻22/推古天皇(592-628年)「三年夏四月、沈水、漂着於淡路嶋、其大一圍。嶋人、不知沈水、以交薪燒於竈。其烟氣遠薫、則異以獻之」。推古3年の4月に、香木が淡路島に漂着。一抱えもあった。島人は香木とは知らずに、薪に混ぜてかまどにくべた。香りが遠くまで広がった。びっくりして朝廷に献上した。

(5) この世を支配しているのは、生命誕生以来、数十億年を経た、DNAの海だ。あの世を支配しているのは、人類誕生以来、数十万年蓄積した、言霊の海だ。先達者の使命は、後進者に言霊を伝えることだ。DNADNAの海については、科学的知識としてインターネットなどで調べてほしい。この世やあの世や言霊については、一人一人が抽象的に自分の中に言葉で作るものなので、一概には言えない。この物語での考えは、以下の通りだ。

 体は、DNAの孤立した水たまりではなく、生物誕生以来数十億年生き続けているDNAの海の一部なのだ。自分は、言霊の孤立した水たまりではなく、人類誕生以来数十万年蓄積し続けている言霊の海の一部なのだ。

 言霊とは、ヒトの言語野が言葉を作り、発信して、共有し、記憶や記録をした情報だ。

 言霊の海とは、共有され、記憶され、記録された言霊の集合、つまり文化のことだ。時空を超えて個人に流れ込み、その個人の、自分や世界や、記憶や願望という時間となり、その人格を形成する。個人は困難に出会うたびに、受け入れた言霊を進化させて、発信して、言霊の海に返す。

 この世とは、DNAが作り出している本能つまり感覚や感情の心に映る環境のことだ。

 あの世とは、言霊の海から、個々の言葉の心に流れ込んだ言霊が作り出している、言葉で出来た、自分、世界、時間のことだ。

 どちらも生きているヒトの脳の中に、一人一人別々に生じている情報だ。


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2018年4月24日 (火)

香心門 よみうりランド花ハウス 300424

曇り時々雨。暗い。

入所者7名。介護士さん1名。

今月最後の会。

組香。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ

献香。香の十徳。

面会に来ていた、入所者の妹さんが、興味を持って、助手をしてくれた。

おかげで3人体制で、点前など丁寧にできた。

7人中3人が、今日の和歌を、暗誦出来た。

子供の頃、家族でやったカルタ取りの記憶の名残だ。

昔の日本の家庭教育は素晴らしかったようだ。


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2018年4月21日 (土)

香心門 東建ふれあいサロン 300421

晴れ。初夏。

組香。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ  紀友則

献香。香の十徳。

今日は、大先輩の、ハモニカの先生が来てくれた。

私が前から、ホームで百人一首を朗詠する時に、音楽を付けたいと言っていたので、その答えを持ってきてくれた。

 

五七五七七がうまく乗る曲だ。

 

石川啄木の初恋。

砂山の 砂にはらばい 初恋の

いたみを遠く おもい出ずる日

 

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ 

 

愛用のハモニカも戴いた。

70の手習いだ。


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2018年4月20日 (金)

香心門 お香の日の会 300420

大和市シリウス。晴れ。初夏。

会員4名。Photo_2

月に一度の会で、今日は全員出席。

みなさん、自前の香道具を持参した。

各自で、炭団を点火し、香炉に埋めて、灰を整えた。

温度計を用いて、適温に調整し、いつかは手のひらで分かるようになることを目指した。

後の、源氏香で用いる、5種の香木をそれぞれが分担して廻し、試し香をした。

その後、5種の香各5包みをかき混ぜ、5袋を取り出し、順に聞香をする。

結果は「関屋」空蝉との再会

1名正解。

他の人々も、徐々に正解に近づいてきた。

2018年4月19日 (木)

香心門 中央林間地域包括支援センターデイサービス 300419

晴れ。暖かい。初夏の爽やかさ。

来所者14名。介護士さん1名。

組香。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ  紀友則

献香。香の十徳。

いつも早目について、みなさんの活動を見ながら、待っている。

今日はロコモ予防の体操ゲームを、楽しそうにしていた。

お香が始まって、和歌の唱和をしたあと、一人づつ詠んでもらった。

緊張したり、誇らしげだったり、笑顔も、笑い声も途切れない。

小学校も高学年になると、さらに現役の時はなおのこと、自意識が邪魔をして、みなと無心に楽しむことが難しかった記憶がある。

みなさん、ご隠居さんで、自然体で、楽しく過ごしている。

私も元々似たようなものだが、伝染するのか、さらに体裁や自己主張など、どうでもよくなって、天国が近くなった感じがする。


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2018年4月17日 (火)

香心門 桜ケ丘記念病院延寿ホーム 300417

午後から小雨。暗く肌寒い。

入所者16名。介護士さん3名。

組香。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ  紀友則

献香。香の十徳。

十二時に、多摩センターの白楽荘が終わって、途中のコメダで昼食を兼ねて二時間近くすごす。

外食も、喫茶も、自由な二時間も、月一回のめったにない楽しみだ。

延寿ホームでは、みなさん、楽しみにしてくれているのが伝わってくる。

これも、今の私にとっては、貴重な楽しみだ。


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香心門 白楽荘 300417

曇り。肌寒い。

デイサービス来所者6名。介護士さん1名。助手1名。

組香。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ  紀友則

献香。香の十徳。

母親の付き添いを兼ねて助手をして下さる女性が、香の点て方をマスターしてくれて、私は司会進行役に徹することが出来た。

香席は、香炉に火を入れたり、香を廻すのと同じくらい、司会進行が大切だ。若い頃、茶道を熱心にされたことが、生きているようだ。

徐々に理解を深めてくれるのが楽しみだ。


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2018年4月13日 (金)

香心門 グレープの里 300413

晴れ。暖かい。

デイサービス来所者5名。介護士さん1名。

組香。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ  紀友則

今年は桜が早く終わって、影も形も無い。

それでも、みなさん、この和歌で楽しんでもらえた。

千年以上前に作られた和歌が、今この部屋で、見えない桜を見せてくれる。

何とも不思議なことだ。

今年4本目のたけのこが夕食に待っている。

「過ぎたるは及ばざるごとし」にならないように、和食ではなく、中華でいく。


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2018年4月10日 (火)

香心門 プレマみなみ風 300410

晴れ。爽やか。

入所者10名。介護士さん1名。

組香。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ  紀友則

献香。香の十徳。

常連の方が多く、気楽な雰囲気で、話がはずみながら進行した。

にぎやかさに惹かれて、途中参加した方も多く、通りがかりの職員さんたちも、立ち止まって、話に加わった。

いつもだが、今日は特に後味の良い会で、帰路気持ちが弾んだ。

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2018年4月 6日 (金)

香心門 金井原苑 300406

曇り。暖かい。花吹雪の跡形も無くすでに葉桜。

入所者7名。助手1名。

冬の間、インフルエンザ予防策で、入所者は隔離され、お香はデイサービスの方を対象にしていた。

今日、隔離が解禁、久しぶりの顔合わせだ。

知った顔がずいぶんいない。

この半年の間に、介護度が進んで、お香は火を扱うので、参加できなくなったとのこと。

秋の陽と同じで、老いの時は、つるべ落としだな、わが身も、などと、気弱になった。

しかし眼前の助手の女性は、85歳。

ここまで、電動でない自転車で一山越えて、手伝いに来ていただいている。

老いの道は、個人差が大きい。

頑張ってどうなるというものではないが、悲観しても仕方が無い。


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2018年4月 3日 (火)

香心門 ベルホーム 300403

晴れ。暖かい。

入所者14名。介護士さん2名。

月が変わって、和歌も変わる。

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづごころなく 花の散るらむ  紀友則

今年の桜は開花が早く、その後も晴天続きで、花吹雪も早かった。

若手の介護士さんが、担当をしてくれた。

入所者の方々は100歳前後なので、介護士さんはひ孫の歳だ。

目や耳が不自由な方が多い。

耳元で大きな声で説明したり、手を取って香炉を持たせたり、字を書かせたりしていた。

みなさん、ひ孫にされるように、うれしそうに指図に従っていた。

大家族が無くなって、こんな景色は、ホームドラマからも消え、老人ホームでしか見れない時代になった。


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