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晴れ。暖かい。
このところ参加者が少なく、大先輩がハモニカを持参して、応援に来てくれた。
普段は「おとな塾」という会を主催して、相模大野周辺の小学校や、障害者施設で、授業をしたり、ハモニカの合奏をしたりしている。
今日は10本のハモニカを持参して、10曲ほど演奏、お香とコラボしてくれた。
私も中学生の頃、ハモニカで、文部省唱歌やボニ―ジャックスのソノシートで覚えた西部劇の主題歌などを、自己流で吹いていた。
以来50年ご無沙汰だった。
私も購入したいと言うと1本1万5千円のと5千円ので同じ曲を吹いてくれた。
私には5千円の方が良い音色に感じられた。
当時持っていたハモニカのメーカーは「宮田」と覚えていたが、今は「トンボ」になっているそうだ。
昨年、この団地の夏まつりに招待され、生ビールでゆでトウモロコシを会場の公園のベンチでかじったが、我ながらみすぼらしい感じだったので、今年は、ハモニカを吹きながら、見栄え良く楽しみたいと思った。
3日坊主にならぬように頑張りたい。
晴れ。寒いが穏やか。
入所者8名。実習生3名。看護師さん1名。
人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香に匂ひける 紀貫之
実習生がたくさん入ってくれたので、香炉を増やして、丁寧に出来た。
入所者の男性二人が早稲田と慶応の卒業生で、一人が女性たちの手拍子で、早稲田の応援歌「都の西北」を歌ってくれた。
その間に火や香炉の準備が出来た。
これまで施設の側が、香道のレベルに合わせて参加者を人選してくれていた。
私も、参加者を香席の形式に従わせることに汲々としていた。
最近はゆとりが出来たのか、香席を参加者に合わせて進行出来るようになってきた。
施設の側も、人選の敷居をゆるめているようだ。
新しいお香の方向が見えてきたように思え、うれしかった。
見返りの香。
父の背中が見えるようになった。
話も聞けるようになった。
こんなふうに。
おまえの体はいつもこの世に居る。
おまえの自分は、言葉の心の働きで、あの世に居る。
体がこの世で苦難に出会うとSOSが出されて、おまえの自分は言霊の武器を持ってこの世に加勢に行く。
この鉄道の旅は、あの世を見失いがちなおまえの自分に、あの世にいることを理解させるためだ。
この旅で学んでほしいことは、生きようとする心の火を熾(おこ)すことだ。
目的を言葉で作り、挑戦する勇気を湧かし、必要な我慢と努力を実行することだ。
我慢や努力をすると幸福な気持ちになる。
目的は、幸福な気持ちを得る手段だ。
目的を実現することより、目的を実現しようとする過程が幸福なのだ。
それなら運に左右されることもない。
しかしヒトはなぜこうまでして未来を目指さなければならないのだろう。
感覚や感情の脳は、現在の現実の快適や安楽があれば満足する。
言葉の脳は、現在の現実の困難と戦うように作られている。
それが目的、つまり未来の正体だ。
でも目的は自分で作らねばならない。
外から何を言われても、理解できないまま鵜呑みにしてはいけない。
母さんは、妹たちと、はくちょう座の向こうへ旅の途中だ。
私もこれから追いかける。
現実の香炉はもう渡してある。
ホームの庭の奇跡の松の若木、みんなの未来。お前のことだ。
香満ちました。
このSNSは代々の理事長と、職員、ジョバンニの父もその一人でした、たちが作っています。
管理者は施設長です。
私は、高齢で、ディサービスの送迎バスの運転手をしています。
いつか、天の原鉄道の運転手になる日をめざして、記録係を仰せつかりました。
物語はここで終わります。
このSNSは無数の機関車の銀河で、これもその一つです。
何しろ今運航しているだけで70億の機関車がありますし、これまで生きていた何百万年間の人々の機関車もあるのです。
続きは、バージョンアップした次のSNSに引き継がれます。
明朝も大雪だそうで、ディサービスの送迎バスを早めに出さなくてはなりません。
これにて失礼します。
ごきげんよう。
移り香。
今日は冬至。一年で一番夜が長い日です。ここの香炉にゆずの香が点ててあります。
心をゆっくり温めてから、現実の世界へお戻り下さい。
ジョバンニはゆずの香りを聞いていると、出発前よりも自分が強くなった感じがした。
外に出ると、宵の明星がジョバンニの目的を、海鳴りがジョバンニの勇気を、三日月がジョバンニの我慢を、町の灯がジョバンニの努力を、保証してくれているように思えた。
町はもうすぐクリスマス。商店街の惣菜の匂いを通り抜けると、寮の明かりが見えてきた。
寮に戻る。
現実の世界ではパソコンを消したということだ。
奇跡の一本松のクローンの若木が窓から見える。
ジョバンニの父はこの老人ホームに勤めていた。
祖母は倒れてここに入り、幼かったジョバンニも寮に入れてもらった。
部屋に入り、机の上の家族写真を見ると、父が笑いかけている。
ポケットのものを出した。
色々詰め込んだはずだったが、出てきたのは、色ガラスのような樹脂の玉だけだった。
体験したことのない良い香りがする。
これが香木なのかと思い、仏壇の引き出しにしまった。
それからしばらく、部屋に入ると良い香りがしたが、いつしか感じなくなった。
命日に引き出しを開けると、消えていた。
移り香になってジョバンニの心に移ったのだ。
家族を探し、一緒に暮らしたいと思っていたけれど、見えないだけで、いつも一緒に居ることが分かった。
目的があると、勇気が湧き、我慢や努力が出来るということも分かったけれど、目的が自分の為の受験ということでいいのか疑問があった。
それは次回の旅の課題になる。
残り香。
みんな、駆けこむようにエレベータに乗り、下へ降りて、改札を抜けて、天の原老人ホームの玄関ホールにある、ディサービスの広間に入る。
囲炉裏を囲む。
囲炉裏が香炉になっていた。
ホームの入所者たちも囲む。
半分は車いすだ。
ジョバンニの祖母もいる。
みんなこのSNSで、ジョバンニを見守っていたのだ。
他の乗客にもそれぞれに見守る人が居て、このSNSの中で、人の輪がどこまでも広がっている。
ホームの施設長もいる。
さあ、ジョバンニ君の未来に献香しましょう。
車椅子の人も、介護士に支えられた人も、囲炉裏の香炉を囲んで、うれしそうに献香をした。
こんなにもみんなを幸せにする祈りとは、どういうことなのだろう。
施設長の考えはこうだった。
祈りとは未来を言葉で作ることだ。
あの暗黒星雲コールサックでしたように目的を作ることだ。
色々な事情で、それに続く勇気、我慢、努力が無理な人には、代行してくれる人が必要なのだ。
それが神仏や贔屓の力士なのだ。
ここではそれがジョバンニだ。
次の春、看護師が、今日の事を思い出して投稿した。
あの夜、ホームの老人たちは幸福でした。
心のがれきが春の雪のように溶けたようでした。
どういう訳かこのホームでも、2月と8月にたくさんの人が旅立ちます。
寒さ暑さのせいかと思っていましたが、施設は空調完備です。
潮の満ち引きに関連付ける説もありますが、2月と8月の潮の干満が特にどうのということもありません。
今年の2月もいつもと同じでした。
ジョバンニをかわいがっていた数名の人が旅立ちました。
違うのは、少し幸せそうだったことです。
アナウンス。
この鉄道には、終着駅はありません。
ここは未来探しの駅なのです。
みなさんの旅の究極の目的である幸福は、ここにあるのでなく、ここまでの旅にあったのです。
この旅で手に入れた言霊や、次にログインするための個人コードを、画面の「記憶する」というボタンを押して保存してください。
このSNSの中には現実の時間も季節もありませんが、これから戻る現実の世界は、冬の夕方です。
防寒をしっかりして、お降りください。又のご乗車をお待ちしています。
風が吹きすさぶ南三陸町役場の屋上にホームがあって、黒いインパネスに身を包んだ人影が、裾をおさえながらじっと出迎えていた。
この天の原老人ホームの創立者の銅像だった。
あの本の扉の写真とそっくりだ。
降車してしばらくすると背後にアナウンスが響く。
当列車は折り返し運転です。ご乗車の方はお急ぎください。
天の原鉄道の夜行列車は客を乗せて次の旅に向かう。
言霊の循環だ。
乗客の中に、前の旅で暗黒星雲に吸い込まれた人もいた。
発車の電子音。
音も無くドアが閉まる。
青い尾灯が雲に消えていく。
響いていた音も消える。
続いて「ブルカニロ博士のビデオ第7章。あの世の超能力を身につける」も流れる。
あの世の超能力を身につけるにはどうすればいいのでしょう。
言葉で考えればいいのです。
心を感覚や感情の心から言葉の心に切り替えればいいのです。
例えば1+1はなんだろうと考えるのです。
この世の雑念の入口である目を閉じ、耳をふさぐと、考えに集中しやすくなりますが、必ずしも必要ではありません。
瞑想とは、眼を閉じて無念無想になるといわれますが、生きている限り、感じず、考えずという状態にはなれません。
感じるか考えるかを切り替えるだけです。
感覚に集中している間は考えることが出来ません。
考えている間は感じにくくなります。
感じないようにするとか、考えないようにするようにするというのは、働く脳を切り替えるという意味で、どちらかの時間を長くする、という程度の話です。
禅で、公案という理屈を越えた言葉の難問を課して、それを解こうとする修行が在ります。
強制的に言葉の脳に切り替える練習です。
そうすれば、日常での困難や苦難に対しても、動揺しやすい感情の脳の働きを切り替えて、言葉の脳で冷静に対応できるようになります。
囲碁や将棋も、難問を解くゲームです。
勝敗にこだわると感情の脳が興奮してうまくいきません。
言葉の脳で冷静に考える方が結果として勝つのです。
柔道にも剣道にも、香道や茶道にも同じことが言えます。
ここから先は次の物語になります。
列車は高度を下げている。
雲のじゅうたんを突き抜けて、画面の左半分は暗い海。右半分が黒い陸地で、その中心に光のかたまりが見えてきた。
近づくにつれて一粒ずつに分かれて黒いビロードの布に撒かれた水晶の粒のようだ。
アナウンスが聞こえる。
長らくのご乗車お疲れ様でした。もうすぐ終着駅です。
ジョバンニは目を閉じた。眠っている間「ブルカニロ博士のビデオ第6章。あの世は、この世で強く生きる力を生みだす場所」が流れる。内容は次の通りだった。
中学へ入って、初めて英語を習って、時間には、現在、過去、未来があるのだと知った人も多いでしょう。
しかしそれは誤解もくれました。
現在が自動的に過去になるように、現在が自動的に未来になる、つまり現在のまま待っていれば未来が来ると思わせてしまいます。
現在は感覚や感情の脳が映し出す現実で、この世のことです。未来は言葉の脳が作りだす言葉で、あの世に属します。
つまり現在と未来は、互いに異次元にあるのです。
つながっていないのです。
この世の現実をあの世の未来に変えるためには、超能力が必要なのです。つまり、言葉の脳が作る、目的、勇気、我慢、努力の言葉の働きが必要なのです。
目的の言葉は、未来の実現に必要な、勇気、我慢、努力の気持ちを生みだします。結果がどうであれ、このプロセスは言葉の脳を幸福にします。このプロセスこそ未来の正体なのです。そして未来こそ幸福の正体なのです。
ヒトは普段は感覚や感情の脳で、この世を生きています。
しかし困難に出会うと、言葉の脳に切り替わって、言葉で願望の未来を作ります。
目的のことです。
合格したいという目的を言葉で作ると、やればできるという勇気が言葉で生まれ、遊びたい本能を我慢しようという言葉が生まれ、努力つまり勉強をします。
言葉を作らないと、感覚や感情の脳に戻って、なんとなく目的から逃げたり、怠けたりしてしまいます。
ヒトには早い足も、飛ぶ羽も、鋭い牙や爪もありません。
身を守ったり獲物を狩ったりするために身につけたのが、言葉の脳です。
言葉の脳はあの世を作ることができます。
言葉で出来た記憶の過去や願望の未来のことです。
敵や獲物の行動を言葉にして記憶して過去を作り、敵や獲物の未来の行動を言葉で作り、わなを仕掛けたり、待ち伏せしたりすることができます。
マンモスも、まさか人間が未来から現れて攻撃してくるとは思わなかったでしょう。
稲や麦の実が、1年経つと何十倍にも増えることを言葉にして覚えていて、今の空腹を我慢して、未来の何十倍もの麦を想像して、失敗を恐れず土に播いて、世話の努力をするのです。
ヒトには未来が見えるのです。
暗黒星雲は天の川を横断するトンネルになっている。
列車はまだトンネルの暗闇を走っている。
ジョバンニは相変わらず悩んでいた。どうして今のままではいけないのだろう。
やっとトンネルの出口が見えてきた。出口の向こうは夕焼けのようだ。
列車はその手前で止まった。
トンネルの壁に、「暗黒星雲コールサックの出口駅」という看板が貼られている。
青い壁灯が看板を浮かび上がらせているだけ、駅らしい物は何もない。
ここは名前だけの駅だった。
暗黒星雲での活動で疲れた乗客は誰も降りずにいた。
ほとんどの人が眠っている。
アナウンスは無く、前の座席の背の画面に案内が流れる。
ここはあの世ともこの世ともつかない場所です。
これまでのあの世からこれから行くこの世が生まれる場所です。
と言っても、自動的にあの世が明けてこの世になるのでなく、暗黒星雲コールサックで身に付けた目的、勇気、我慢、努力の言葉からこの世が生まれるのです。
未来は、過去や現在のような時間の言葉ではなく、一人一人の願望の言葉なのです。
言葉の脳が作る、苦難に立ち向かう目的の言葉なのです。
現在、過去、未来の関係は次の通りです。
現在の現実から記憶の過去が生まれます。
現在の苦難から願望の未来が生まれます。
願望の未来から生きる喜びが生まれます。
感覚や感情の心にとっては、苦難の無い現在の現実は快適ですが、言葉の心にとっては退屈という苦痛なのです。
ジョバンニが眠らず、ぼんやり外を眺めていると、よだかの流星。
画面の下に、臨時ニュースのようにテロップが流れる。
老人ホームで見守り中の入所者が入れたツイートなのですが、ジョバンニはその仕掛けを知りません。
「タイムマシンをうまく使える人になって下さい」。
みんな、言葉の脳というタイムマシンを持って生まれてきたのです。
現在の現実だけでなく、記憶の過去や願望の未来と行き来出来る力を持って生まれてきたのです。
勉強はそのための訓練なのです。
過去や未来は、一人一人が別々に言葉で作る、あの世のことです。
記憶や願望のことです。
本当のタイムマシンとは、あの世とこの世を行き来する心の切り替えの力のことですよ。
願いを言葉にして目的に作れば、言葉の脳に、努力する気持ちが湧いてきます。
努力する気持ちは目的から湧きだす言葉の力なのです。
新約聖書にも「叩けよさらば開かれん」とあります。
ドアを叩き続けるのです。
このドアは開けるためのドアではなく、叩くためのドアなのです。
開く、開かないは、関係が無いのです。
幸福はドアの向こうにあるのではなく、叩くこと自体にあるのです。
ここまででお分かりのように、しっかりした目的を持つと、勇気も我慢も努力もセットで湧いてきて、嫌なこと苦しいことでも喜んで取り組めるようになれます。
結果とは無関係に、このプロセスこそ、本当の喜びなのです。
結果は運任せでいいのです。
今車掌からの連絡があって、無事に最後の難所を通過出来ました。
言葉は覚えることで身に付きます。書くとよく覚えられます。薫香録を書くのは、覚えてこの世に持ち帰るのが目的です。みなさんが書いた薫香録はこの駅に残して、未来の乗客たちが閲覧できるようになります。
帰ってからも、このSNSに入って、この「黒ぶだう」の形をしたボタンを押して、この駅に来れば、努力の言葉を思い出すことができます。
客車に戻ってゆっくりお休みください。
薫香録と引き換えに、朱印帖にスタンプを押してもらう。
客室に戻る。黒方の香りが流れてくる。
学んだことが、きちんと心に写される。
香始めます。礼。
各席に薫香録と鉛筆があります。下の名だけをひらがなで書きます
組香です。香題は「努力する気持ちを生みだす言葉を作る」です。
諦めと努力の2種の香を廻します。
努力の香はどれでしょう。
これは古今東西の香道家たちが出した結論の香りです。それをどう聞くかは皆さん一人一人の仕事です。答を薫香録に記入して下さい。
SNSから離れて、実際に、通販で買った2種の香を洋式香炉(incense burner.)で聞く。
第1香はミルクの匂いがした。
第2香は「黒ぶだう」の匂いがした。
父が残した努力と書かれた香合は空なので、困っていると、よだかの流れ星。
「これからの人生で、自分で手に入れなさい。今日のところは第2香と書きなさい」というテロップが流れた。
第2香と解答した。
組香に失敗した人々が、機関車の窓から、暗黒星雲コールサックに吸い込まれて消えていく。
双六で言うと振り出しに戻ったのです。ここはあの世ですから、あの世の暗黒星雲コールサックの怠惰の門に戻ったのです。途中で身に着いた言霊はそのままですので、次回の挑戦はそこから始まります。つまり急行列車で直接そこまで行けます。ジョバンニは、ヒトよりたくさん苦難に出会ったせいか、何とかクリアしていきます。実はジョバンニには強い味方がいて、分からないように応援していたのでした。
献香。
本日の香を、香の十徳に、献香しましょう。
「能覚睡眠・努力する気持ちの目を覚ます」です。
香満ちました。ごきげんよう。礼。
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