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2017年10月

2017年10月28日 (土)

香心門 東建ふれあいサロン 291028

冷たい雨の一日。

会館の部屋の机を並べ、お香の歴史の展示品を並べた。

男性が、モロッコで購入した乳香をもってきてくれた。

上質の物で、相当高かったようだ。

さすがに昔、金と同額で取引されただけ在って、透明で、高貴な香りだ。

現地では焼香にするが、香道のやり方で温めると、なおさら良い香りだった。Photo

2017年10月26日 (木)

古い喫茶店

今日は久しぶりの、そして束の間の秋晴れ、楽しい体験を、小説家気取りで、書いておこうという気分になった。

図書館を出て、運動がてら、いつもと反対の駅に向かって歩いた。思ったより遠く、着いた頃には汗ばんでいた。駅前のロータリーは絵にかいたようなさびれ方だった。シャッターの林の陰に、これぞ昔の喫茶店という紫のガラスの扉が見えた。休んでいこうと、ドアに触れたが開かない。中も暗くて見えない。休みかと立ち去りかけると、中からドアを開けてくれた。カウンターとソファの座席がこじんまり並んでいた。私より年配らしい老人だった。銀色の髪と口ひげ、糊の効いた白いシャツにチョッキ姿で、背は曲がっていたがダンデイーだ。コーヒーとサンドウィッチを頼んで、置いてあった新聞を読んだ。ふとなつかしい音楽が聞こえ、何ともいえず胸にしみてきた。ああ西部劇の主題歌だ。曲名は思いだせなかった。小学校の頃父がステレオを買ってきて、私も小遣いで西部劇の曲が詰まったソノシートを買って聞いたのだ。食べ終え、飲み終えて、840円払って外に出た。あああれは「遥かなる山の呼び声」という曲だった。あの老人は藤村 俊二にそっくりだったなと思いながら駅に向かった。改札口を抜けてホームのベンチに座った時、あの俳優は今年の初めに亡くなっていたことを思い出した。人は死んでも古い喫茶店のような場所で、歳を取り続けている。江ノ島発町田行きの各駅停車が滑り込んできた。終点の先にも線路はつながっている。これは私の核心だ。

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2017年10月24日 (火)

香心門 よみうりランド花ハウス 291024

曇り。肌寒い。

いつもの通り早く着いたので、施設内の喫茶室でコーヒー。

先月も書いたが、知的な障碍のある若者が5人ほど、指導を受けながら、接客をしている。

あれから1カ月、注文を取る人、お茶を出す人、レシートを配る人、それぞれずいぶん仕事ぶりが進歩していた。

スポーツとは別の感動をした。

入所者7名。

90歳以上の、それなりに手のかかる女性方だった。

私一人だったので、安全に気を配りながら進めるだけで、手いっぱいだった。

それでも、みなさん、楽しんでくれた。Photo

2017年10月20日 (金)

香心門 お香の日の会 291020

雨のち曇り。肌寒い。

会場は大和市シリウス。4名。

みなさん、源氏物語に親しむ会の会員で、源氏物語研究からお香に入ってこられた。

観賞香は、白檀。

香の目的は、香りを言葉にして記憶する過程で、記憶力を鍛える訓練だと考えている。

白檀は、ありふれた香りなので、かえって言葉にできない。

みなさん手古摺っ ていた。

組香は、最終ゴールである源氏香の一歩手前の、系図香。

ここまで三種の香りを記憶して、今日は白檀を加えて四種となった。

四種の香りの組香を系図香という。

ここまでの成果が出ていた。

次回、五種、源氏香となる。


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2017年10月19日 (木)

香心門 中央林間地域包括支援センター ディサービス 291019

寒い雨の一日。気持ちが沈んだまま到着した。

来所者14名。介護士さん1名。

早めに入って待っている間、楽しそうに、座って体操をしていた。

机を並べ直し、囲んで着席。

顔見知りの方も多く、あちこちから会釈が寄せられる。

いつものとおり、なめらかに、和気あいあいと進行した。

今日は、私の方が、心を温められた。


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2017年10月17日 (火)

香心門 桜ケ丘記念病院延寿ホーム 291017

雨のち曇り。久しぶりの晴れ間もあった。

入所者10名。介護士さん1名。研修生2名。

人数が多く、研修生も手伝ってくれるので、香炉を2基廻した。

途中、香炉を転がすハプニングがあったが、炭団を灰に深く埋めていたので、灰がこぼれただけで済んだ。

これもホームでの香席のノウハウの一つだ。

女子高か女子大の研修生が混ざったので、入所者のみなさん、華やいで、活気に満ちていた。もちろん私も、だ。


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2017年10月13日 (金)

香心門 白楽荘ディサービス 291013

雨、急な気温の低下。

来所者7名。介護士さん2名。

多摩丘陵の中腹にある。

見憶えのある景色だと思ったら、ジブリの猫が出てくるアニメの舞台だ。

介護士さんも初めてだったが、すぐに理解して、手助けをしてくれ、楽しく、手を抜かずに、全メニューがこなせた。

来所者も、初めは緊張気味だったが、すぐに打ち解け、質問の雨、熱心に取り組んでくれた。

「名前を呼ぶ」というのがここでも効果を発揮した。


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2017年10月11日 (水)

香心門 ひらお苑 グループホーム

薄曇り。少し暑い。

入所者5名。介護士さん1名。

92歳から96歳の女性だ。

年齢以上に思考が朧になっているが、何年も通っているうちに、私の中から認知症という言葉が消えて、背丈の高低のように、ただの個性に思えてきた。

NHKなどがセンセーショナルに取り上げて、認知症とか孤独死とか、刺激的な単語によるレッテル貼りが横行して、薄っぺらい差別が広まっている。私もその一人だった。

里山の中腹にあるので、秋が着実に進んで、夏の花は枯れ、秋の花が咲き、樹々も色付き始めていた。これから良い季節が始まる。

ゆったりと穏やかな時間が過ごせた。Photo

2017年10月10日 (火)

香心門 プレマみなみ風 291011

晴れ。暑さが少し戻る。

入所者7名。研修生2名。介護士さん1名。

香りに惹かれてか、他の介護士さんも三三五五、自分が担当する入所者の応援がてら、見学に来た。

初めて参加した男性が、うれしいと涙を流した。

何がそんなにうれしかったのかわからないが、琴線に触れることが出来たのかもしれない。

改善のヒントにしようと思う。


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2017年10月 6日 (金)

香心門 金井原苑 ディサービス 291006

曇りのち雨。肌寒い。

来所者5名。介護士さん1名。

組香と献香。

月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ

わが身一つの 秋にはあらねど 大江千里

100名近い来所者から毎回5名が参加する。

他の方々は大勢の介護士さんと、懐メロのカラオケ大会をしている。

心なしか、秋に似合う、うら悲しい選曲だ。

別室に居る私たちにも、響いてくる。

どこも体操と歌とお絵かきは定番だが、最近は、介護士さんの演出が上手くなって、本当に楽しそうだ。

お香も負けないようにするのが大変だ。


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2017年10月 3日 (火)

香心門 グレープの里 デイサービス 291003

晴れ。一雨ごとに秋の気配が濃くなっていく。

来所者5名。介護士さん1名。

今日から月が変わって、和歌も変わる。

月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ

わが身一つの 秋にはあらねど 大江千里

寂しい季節には寂しい和歌が暖めてくれる気がする。

寒い季節に食べる鍋とは逆だ。

もう3年経って、10名近い介護士さんのほぼ全員が、お香の会の補助に慣れてくれた。

それでも手足や目が不自由な人が多く、当番の介護士さPhoto んは孤軍奮闘してくれた。


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