香炉屋日記290515銀河鉄道の夜
九州は梅雨入り。関東も曇り。
店に着いて窓を開け、昨日の残り香を追い出していると、中学生くらいの少女が、ドアから恐る恐る覗いていた。
何処かで見た顔だ。
あのアニメの少女だ。
君はかぐや姫だねと話しかけた。
ええ、でも1号か2号かわかりますかと笑顔で答えた。
アニメの子が姉の1号です。私は、画面に手しか映っていなかった2号です。
双子です。
祖父母や父母、姉が、津波で流されて、姉だけが見つかりませんでした。
弟と私が残りました。
学校をさぼって、たくさんの人々を祀るこの神社と、この店を訪ねてきました。
二つの願いを言った。
一つは姉について。姉を取り戻したい。もう子供ではないので、生きかえらせるというような体のレベルではなく、心として身近な存在に戻って欲しい。もし輪廻転生があるなら、幸福になれる人に生まれて欲しい。
もうひとつは、自分の事。生きていることの意味や生きようとする気力、将来の夢や希望を取り戻したい。
話の続きはあのサイトでゆっくりすることにして、小さなお香セットを渡した。
お香に出来ることは在るだろうか。ぼんやり考えながら、客の来ない店で夕方まで過ごした。
あさりが美味しい。新じゃがも、美味しい。今夜は久しぶりにブイヤベースだ。ワイン通の友人から教えられた赤ワインをセブンイレブンで買う。ヨセミテと言う名で、500円。ソムリエが推奨だそうだ。値段も味のうちだ。
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