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2016年9月

2016年9月30日 (金)

香心門 ベルホーム 280930

うって変わって、爽やかな秋の空気。

玄関や廊下に金木犀の香りが満ちていた。

入所者12名、介護士さん2名。

15分前に入室したら、全員着席していた。

100歳越えの方も、認知症が相当進んだ方も、職員さんも、楽しみにしてくれている。

私は、お香を楽しませる、古典芸能の芸人なのだなと思う。

芸の精進に励もうと思う。

香席の名前を「和香会(わこうえ)」と言う名にしている。

和は大和(やまと)、つまり日本の和のように思われているが、本当は仲良くという意味だ。

平和の和、和(なご)やかの和だ。

日本は和の国だというのは、仲良く暮らす人々の国という意味だ。

香りも笑いも独占できない、と言う意味で、和を作るのに、都合がいい。

理屈ばかりになってしまった。Photo

2016年9月27日 (火)

香心門 よみうりランド花ハウス 280927

久しぶりの晴れ、夏が戻った感じ。

ショートステイの方々6名。介護士さん1名。

あらし吹く みむろのの もみぢばは

たつたのの 錦なりけり 能因法師

風が吹いて、山の紅葉が吹き散らされて、

川は、錦のようだ。

和歌を独唱。

お彼岸に墓参りが出来なかった人がほとんどなので、献香が喜ばれた。Photo

2016年9月20日 (火)

香心門 延寿ホーム 28092016年9月20日

台風が接近、大雨が降ったりやんだり。

入所者10名、介護士さん1名。

10分前に入室したら、既に着席して待っていてくれた。

大部分の方は手元が不安定なので、介護士さんは、八面六臂(はちめんろっぴ)一人で何人分もの活躍をすること)だった。

事前に、席順と名前を書いたカンペをもらって、名前を呼び掛けるようにした。

いつになく、笑顔や会話が多く、お香の作法や解答にも、集中してくれた。

作戦は成功だった。Photo

2016年9月15日 (木)

香心門 中央林間地域包括支援センター 280915

薄曇。

ディサービス来所者14名、介護士さん2名。

早く着いて部屋に入ると、今日は一五夜なので、「月がとつても青いから」に合わせて、足踏み体操をしていた。

「もみぢの香」をした。

香名「つたもみぢ」を聞香。

二人の女性から泉鏡花の「婦系図」の話が出た。

若い看護師さんが主題歌を歌ってくれた。Photo

2016年9月14日 (水)

香心門 ひらお苑 280914

曇り時々雨。

事務所の手違いで、人が集まらない。

入所者2名。

時間がたっぷりだったので、会話がたくさんできた。

地元の農家の隠居の、101歳の女性が話の主役になった。

香炉の説明から、火鉢や囲炉裏の思い出となり、焙烙(ほうろく)に至った。

赤紙で招集されて帰ってこなかった御亭主に、お彼岸の献香をした。

101歳の女性と、こんなに打ち解けておしゃべりできたのも、お香の効用なのだろう。Photo

2016年9月13日 (火)

香心門 プレマみなみ風 280913

強い雨が降ったりやんだり。

入所者8名、介護士さん4名。

専任の介護士さんに付き添われて、ベッド兼車いすに乗った人も座に加わった。

香炉が廻って来て、介護士さんが香炉を持って、鼻に近づけて話しかけると、閉じていた目を開いて、香りを聞いていた。

私のお香のゴールはここにあると思った。

事前に、責任者が、みなさんの席順と苗字を書いた紙をくれた。

おかげで、今日は間違えずに、全員の名前を呼んで、話すことが出来た。

ヒトはみな、自分の名前を覚えられ、呼ばれる為に生まれてきたのだ、と思う。Photo

2016年9月 6日 (火)

香心門 ラプラみなみ風 280906

晴れ、暑い。

私の間違いで、1週間早く訪問、責任者との打ち合わせのみして帰宅。

大切な話が出来た。

みなさん、名前を呼ばれると、本当にうれしそうだ。

自分だけ呼ばれなかったり、間違えられたりすると、さびしそうだ。

伽羅より、自分の名前の方が、良い香りなのだ。

次回から、責任者が、事前に、着席順に名前を書いた紙を、そっとくれることになった。

中学校の音楽の教科書の「オールド・ブラック・ジョー」を思い出した。

臨終の時に、自分を呼ぶやさしい声が聞こえて、なぐさめられるという歌だ。

日本語の歌詞は、子供向けか、臨終という刺激的な情景をマイルドにしているため、中学生には何の歌だか分らなかった。

もう受け入れられる歳なので、訳してみた。

PAUL ROBESON-OLD BLACK JOE.wmv - YouTube

 

Old black Joe

臨終の呼び声。

Gone are the days when my heart was young and gay,

若くて、楽しい日は、消え
Gone are my friends from the cotton fields away,

仲間も、畑から、消え。
Gone from the earth to a better land I know,

この世から、あの世へと、消え。
I hear their gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

 

Chorus:
I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,

もう、すぐさ、力が消える。
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,

もう、すぐさ、力が消える。
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

 

Why do I weep when my heart should feel no pain?

安らかに、泣けてくる、なぜ
Why do I sigh that my friends come not again?

さよならが、悲しいよ、なぜ
Grieving for forms now departed long ago?

思い出が、つらいよ、なぜ。
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

 

Chorus:
I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,

もう、すぐさ、力が消える。
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,

もう、すぐさ、力が消える。
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

 

Where are the hearts once so happy and so free?

あの日の、気持ちは、どこ。
The children so dear, that I held upon my knee?

膝にいた、子たちは、どこ。
Gone to the shore where my soul has longed to go,

この先の、岸辺に、いる。
I hear their gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

 

Chorus:
I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,

もう、すぐさ、力が消える。
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,

もう、すぐさ、力が消える。
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"

やさしい声が呼ぶ「オールド・ブラック・ジョー」。

 

1860年、150年前に作られた、老いた奴隷の臨終の歌。

作者のFosterさんは「アメリカ音楽の父」。

1864年1月13日、マンハッタンのノース・アメリカン・ホテル滞在中に、落ちぶれ果てて(所持金38セントしかない状態で)、37歳で死去しました、とさ。(Wikipedia参照)。

2016年9月 5日 (月)

香心門 グレープの里 280905

デイサービス来所者5名。介護士さん1名。

晴れ。暑いが風がさわやか。

秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども

風の音にぞ おどろかれぬる  藤原敏行

定家さん、百人一首に入れ忘れ。Photo

昔話に花が咲いた。

香炉と囲炉裏の話から、無口だった男性が、心を開いた感じになった。

回想法とは違うが、これも、良いメニューだ。

献香は、お彼岸がテーマ。

みなさん、喜んでくれた。

2016年9月 2日 (金)

香心門 金井原苑 280902

晴れ、暑さが戻る。

入所者、来所者、計12名。実習生1名。

助手の女性が夏バテでお休み。

隣の駅の田園調布大学の学生が実習に来ていて、補助をしてくれた。

9月に入っての初めてなので、和歌も変わる。

あらし吹く みむろのの もみぢばは

たつたのの 錦なりけり 能因法師

一人ずつ和歌の朗詠をしてもらうのは、良いメニューだと、我ながら思う。

男子学生も、初体験なのに、手元の危なさそうな人をサポートしたり、引っ込み思案な人と合唱したり、切れが良く、「おぬし、できるな」という感じだった。Photo

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