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2016年3月

2016年3月24日 (木)

香心門 ベルホーム 280323

花宣言直後の寒の戻り。

 入居者7名、介護士さん3名。

点前の礼(れい)から、香炉の持ち方、答えの書き方まで、介護士さんが、一人ひとり手を添えて、ゆっくり、丁寧に、補助していた。

私も、予め、全員の名前を覚えて、途中何度も、名前を呼ぶようにした。

 名前を言われることと、誉められることは、いくつになっても、最高にうれしい。

自分も、其れを求め続けて、ここまで来た。

 「若い頃、遊閣で、この香りをかいだことがある」と言い張る男性が居た。

若い女性介護士が「奥さんの匂いを思い出したんでしょ」と応じた。

 

伽羅の匂いは、こんな大人の世界にも通じている。

Photo_2

2016年3月22日 (火)

香心門 よみうりランド花ハウス 280322

入居者とデイサービスの客10名。介護士さん2名。

 明日は彼岸明け。

墓参を兼ねて、伽羅の献香が喜ばれた。

 帰路、明るく、楽しく、過ごしている姿を思って、

芭蕉をまねた、俳句ができた。

 やがて散る そぶりを見せず 咲く桜

Photo

残り少ない命でも、素振りにも見せず、楽しみ、楽しませている、人の美しさ。

2016年3月17日 (木)

香心門 プレマみなみ風デイサービス 280317

やっと本格的な暖かさ到来。

来所者14人。介護士さん3人。

 

玄関を入ると、4人ずつ、男女混合の班になって、何かを製作していた。

子供の教室に紛れ込んだような気分になった。

人生で一番楽しかった時を思い出すのが、不老の薬だとか。

自分も、一番楽しかった記憶は、その頃だったなと思いながら、片づけを見守った。

組香。

いにしえの ならのみやこの やえざくら

 きょうここのえに においぬるかな

献香。

 彼岸香。

 

奥の厨房でPhoto 、栄養士さんが、3時のおやつの準備をしていたせいか、みなさん、甘い香りという答えが多かった。

2016年3月15日 (火)

香心門 延寿ホーム 280315

久しぶりの晴天。春の到来。

入所者10名。介護士さん1名。

組香。

いにしへの ならのみやこの やへざくら 

けふここのへに にほひぬるかな  伊勢大輔

献香。

お彼岸。

 

信長さんという男性がいる。

伽羅が好きで、しみじみと味わってくれる。

2年以上皆勤だったのに、この半年来なくなっていた。

今日久しぶりに顔を見せた。

歳をとると、体調の波が大きくなる。Photo

2016年3月 9日 (水)

香心門 ひらお苑グループホーム 280309

昨日とは打って変って、冷たい雨の一日。

入所者5名、介護士さん2名。

 

里山の中腹の、林の中の一軒家。

ホームの玄関の向こうは、和気あいあいの雰囲気が満ちていた。

 

昨日と同じメニュー。

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手元が不安定な人は、介護士さんが手を添えてくれた。

和歌の朗読が出来ない人は、介護士さんとデユエットで、クチパクをした。

点前も、手を抜かず、丁寧にフォローしてくれた。

 

献香は、お彼岸でもお墓参りに行けない人がほとんどなので、みなさん真剣に合掌をしていた。

香心門 プレマみなみ風 280308

晴れ、今年一番の暖かさ。

入所者8名、介護士2名。

 

組香。

古の 奈良の都の八重桜 今日九重に 匂いぬるかな。

 

気圧と気分には相関関係があるそうだ。

今日は高気圧のせいか、みなさん気分が良さそうだった。

笑いが絶えない、良い会になった。

 

蘊蓄を考えた。

 

千年前の伊勢大輔(いせのたいふ)が、千三百年前の桜を詠んだ和歌を、千年後の私たちが観賞している。

今日焚いたのは、千年前に書かれた源氏物語に登場する「黒方(くろぼう)」という名のお香だ。

お香の匂いはその場で消えてしまうが、「黒方」という名前は、千年以上在り続けている。

 

言葉は、今や昔、ここやあそこ、伊勢大輔や紫式部や私たち、という時空の違いを超越した、永遠という世界に属している。

はかない香りが、言葉になって、永遠を見せてくれる。Photo


2016年3月 5日 (土)

香心門 グレープの里 280305

薄曇、暖かい。

デイサービスの来所者5名、介護士さん1名。

 

組香。

いにしえの ならのみやこの やえざくら

きょうここのへに においぬるかな 伊勢大輔

 

献香。春彼岸。

みなで、伽羅を焚いて、それぞれ合掌したり、黙想したりしていると、ドア越しに、奥の広間から、「仰げば尊し」の合唱が響いてきた。

 

あちらは今、子供の頃の卒業式の思い出の中に居るのだろう。

 

こちらは、ちょっと言い過ぎだが、伽羅の香りに満ちた、千年前の平安時代の宮中の夢の中にいる。Photo


2016年3月 4日 (金)

香心門 金井原苑 280304

今日から気温が上がり始める春の始まり。

特別養護老人ホームの入所者、女性ばかり10名。

 

助手の女性が復帰。

私は進行のみ。

 

組香。3月の和歌。

いにしへの ならのみやこの やへざくら 

けふここのへに にほひぬるかな  伊勢大輔

昔、奈良の都に咲いていた桜が、

京の都の宮中に咲いている、不思議

 

献香。

花まつり と 春のお彼岸。

先月、夫を亡くされた方が居て、他の方々にも同じ記憶があって、献香をしながら合掌される方が多かった。Photo


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